トヨタ自動車生産再開
こんにちは中小企業診断士の中山です。
新聞報道によると昨日2月15日、トヨタ自動車は国内16工場の完成車組立ラインの生産を再開しました。2月8日から13日まで6日間の生産停止。その原因は1月8日に発生した愛知製鋼知多工場の爆発事故でした。トヨタ向けの特殊鋼供給に影響が出たため国内全工場で生産を止めることになりました。
中日新聞2月1日付けに詳しい内容が出ていました。
「不足している部品は、愛知製鋼知多工場(東海市)で生産する特殊鋼。エンジンや変速機などに幅広く使われ、他社でも代替生産可能な素材だが、愛知製鋼以外からではトヨタが必要とする生産量を確保しにくいという。
愛知製鋼知多工場では1月8日、この特殊鋼を生産していた圧延ラインの加熱炉が爆発し、炉の復旧は3月までかかる予定。現在、神戸製鋼所(神戸市)や大同特殊鋼(名古屋市)に代替生産を依頼しているが、供給が間に合わない見通しとなった。」
愛知製鋼のWebサイトを見ると、
「愛知製鋼のありたい姿(2020年ビジョン)」として、
「地震や大雨などの自然災害時でも、生産活動に支障を与えることのないよう当社ではBCPやBAP(バックアップアクションプラン)の構築に取り組んでいます。災害が起こり、自社の生産設備が止まってしまっても、グローバルに見てその製品を必ずどこかの拠点で製造し、お客様のもとへ安定して提供していくことで、安心という付加価値をご提供していくことは、ビジネスにおいて重要であると思います。
そのため、お客様の海外進出、グローバル化に対し、しっかりと海外事業体を支援していくマザープラント制を進めています。これは、国内で成熟した技術を海外の子会社へ技術移管するとともに、海外事業体の成長に合わせて国内製造拠点からトレーナーを送るなど、海外製造拠点の自律化に向けた支援を計画的に行っていくものです。
海外拠点については、国内の愛知製鋼で実現している『鍛鋼一貫』を、インドや中国のローカル鉄鋼メーカーを活用し、愛知の技術が入った鋼材をアセアン各国の鍛造拠点へ安定的に供給する『アセアングローバル』を展開したいと考えています。」と書かれています。今回は突発的な事故であり、自然災害ではありませんが、愛知製鋼としても2020年に向けて体制を整える過程にあったということでしょう。
下記は日本自動車部品工業会(JAPIA)の『BCPガイドライン(平成25年3月初版)』に掲載されている表です。生産工程と生産拠点からサプライチェーンのリスクを比較しています。今回、愛知製鋼の特殊鋼は同社以外でも生産可能な製品でした。この表に照らし合わせると、「生産拠点が複数あり」×「素材・生産工程が一般的」に該当し低リスクとなりますが、さすがはトヨタというか大口需要家であるが故、他社から供給を受けたとしても生産に必要な数量を集めることができないという想定外の事態に直面することになりました。

自動車業界はサプライチェーンを維持する観点からBCP(事業継続計画)の策定が進んでいますが、今回の生産停止を教訓にさらなる取り組みが推進されるかもしれません。
新聞報道によると昨日2月15日、トヨタ自動車は国内16工場の完成車組立ラインの生産を再開しました。2月8日から13日まで6日間の生産停止。その原因は1月8日に発生した愛知製鋼知多工場の爆発事故でした。トヨタ向けの特殊鋼供給に影響が出たため国内全工場で生産を止めることになりました。
中日新聞2月1日付けに詳しい内容が出ていました。
「不足している部品は、愛知製鋼知多工場(東海市)で生産する特殊鋼。エンジンや変速機などに幅広く使われ、他社でも代替生産可能な素材だが、愛知製鋼以外からではトヨタが必要とする生産量を確保しにくいという。
愛知製鋼知多工場では1月8日、この特殊鋼を生産していた圧延ラインの加熱炉が爆発し、炉の復旧は3月までかかる予定。現在、神戸製鋼所(神戸市)や大同特殊鋼(名古屋市)に代替生産を依頼しているが、供給が間に合わない見通しとなった。」
愛知製鋼のWebサイトを見ると、
「愛知製鋼のありたい姿(2020年ビジョン)」として、
「地震や大雨などの自然災害時でも、生産活動に支障を与えることのないよう当社ではBCPやBAP(バックアップアクションプラン)の構築に取り組んでいます。災害が起こり、自社の生産設備が止まってしまっても、グローバルに見てその製品を必ずどこかの拠点で製造し、お客様のもとへ安定して提供していくことで、安心という付加価値をご提供していくことは、ビジネスにおいて重要であると思います。
そのため、お客様の海外進出、グローバル化に対し、しっかりと海外事業体を支援していくマザープラント制を進めています。これは、国内で成熟した技術を海外の子会社へ技術移管するとともに、海外事業体の成長に合わせて国内製造拠点からトレーナーを送るなど、海外製造拠点の自律化に向けた支援を計画的に行っていくものです。
海外拠点については、国内の愛知製鋼で実現している『鍛鋼一貫』を、インドや中国のローカル鉄鋼メーカーを活用し、愛知の技術が入った鋼材をアセアン各国の鍛造拠点へ安定的に供給する『アセアングローバル』を展開したいと考えています。」と書かれています。今回は突発的な事故であり、自然災害ではありませんが、愛知製鋼としても2020年に向けて体制を整える過程にあったということでしょう。
下記は日本自動車部品工業会(JAPIA)の『BCPガイドライン(平成25年3月初版)』に掲載されている表です。生産工程と生産拠点からサプライチェーンのリスクを比較しています。今回、愛知製鋼の特殊鋼は同社以外でも生産可能な製品でした。この表に照らし合わせると、「生産拠点が複数あり」×「素材・生産工程が一般的」に該当し低リスクとなりますが、さすがはトヨタというか大口需要家であるが故、他社から供給を受けたとしても生産に必要な数量を集めることができないという想定外の事態に直面することになりました。

自動車業界はサプライチェーンを維持する観点からBCP(事業継続計画)の策定が進んでいますが、今回の生産停止を教訓にさらなる取り組みが推進されるかもしれません。
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