低利子融資活用事例

　先日、中小企業支援機関の方と情報交換しました。トピックの中で興味深い話を聞きました。昨年、今年と個人タクシーの事業主が低利子融資を利用し、プリウスなどに乗り換えるケースが多いそうです（個人タクシーは正式には1人1車制個人タクシー事業といいます）。

　購入に際しては、マル経融資（経営改善貸付、http://kenfuture.blog24.fc2.com/blog-entry-45.html）や地方自治体の制度融資を利用（http://kenfuture.blog24.fc2.com/blog-entry-42.html）。マル経融資は日本政策金融公庫が窓口となりますが、商工会議所会頭、商工会会長等の推薦が必要で、実質的には商工会議所・商工会の会員であることが条件となります。
　2010年2月20日現在、マル経の条件は運転資金・設備資金とも融資上限は1,500万円、返済期間は運転資金7年以内（うち据置期間1年以内）、設備資金10年以内（同2年以内）、利率は1.85%となっています。仮に新車と諸設備で300万円の設備投資を行うため、マル経を利用したとしましょう。設備資金10年で返済すると毎月元金の返済は2万5,000円ですみます（利息は別途発生します）。プリウスのようなハイブリッドカーは燃費もいいので、ガソリン代の経費削減だけでも2万5,000円のかなりの部分を吸収できそうです。まあ耐用年数からいって返済は10年より短くなりそうですが。

　減税＋補助金＋低利子融資の組み合わせは魅力的です。全国共通の制度であるマル経を例に説明しましたが、リーマン・ショック以降、中小企業向け制度融資が見直しされ、返済期間を長期化したり、保証料率、金利をさらに優遇するケースも増えました。設備投資まではなかなか手が回らないという企業もあるかもしれませんが、考えようによっては前向きな投資もできるかもしれません。地方自治体によっては実質金利が1%を切っている資金もあるのですから。購入の際はディーラー提携の自動車ローンと平行して制度融資も検討するといいでしょう。

　この事例は全国的に見たら局部的な話かもしれません。僕自身も個人タクシーの事業主から資金調達の相談をされたことはまだありません。昨日、ジョッギングをしていたら、偶然にも神奈川県個人タクシー協同組合の事務所の前を通りしました。周辺を走ることはあってもその道を通ったのは初めて。こういうこともあるんですね。ブログのことが頭になければ、意識せず素通りしていたでしょう。最後になりましたが、プリウスをはじめとするトヨタ車種のリコール問題が収束することを願うばかりです。

*マル経の設備資金貸し付け利率を借入日より２年間継続して0.5%引き下げることが可能になりました。2010年２月15日から同年９月末日までの貸付が対象。第2次補正予算成立による措置です。